TCP/IP
問題集の図や読み上げで把握が難しい部分などを補足します。
対象ページ:59から92
問題1
対象ページ:72
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「OSI参照モデルTCP/IPプロトコルスタック」から「(リンク層、ネットワークアクセス層ともいう)」までの行です。
OSI参照モデルとTCP/IPプロトコルスタックの各階層の対比が表現されています。
OSI参照モデルは、第7層から順番に以下の7つがあります。
- アプリケーション層
- プレゼンテーション層
- セッション層
- トランスポート層
- ネットワーク層
- データリンク層
- 物理層
一方、TCP/IPプロトコルスタックは以下の4層です。
- アプリケーション層
- トランスポート層
- インターネット層
- ネットワークインターフェイス層(リンク層、ネットワークアクセス層ともいう)
それぞれの対比は以下のとおりです。
- OSI参照モデルのアプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層の3層は、TCP/IPプロトコルスタックのアプリケーション層に相当する。
- OSI参照モデルのトランスポート層は、TCP/IPプロトコルスタックのトランスポート層に相当する。(名称が同じ)
- OSI参照モデルのネットワーク層は、TCP/IPプロトコルスタックのインターネット層に相当する。
- OSI参照モデルのデータリンク層と物理層の2層は、TCP/IPプロトコルスタックのネットワークインターフェイス層(リンク層、ネットワークアクセス層ともいう)に相当する。
OSI参照モデルは、第1章でも出題されましたが、覚えるしかありません。
ご参考に、語呂あわせで覚える方法を紹介します。
「Please Do Not Throw Sausage Pizza Away(ソーセージピザを捨てないでください)」
レイヤ1から順番に英語では、Physical、Data Link、Network、Transport、Session、Presentation、Applicationとなります。この頭文字を利用しています。
問題5
対象ページ:74
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【IPv4ヘッダフォーマット】」から「パディング」までの行です。
IPv4ヘッダフォーマットが、横32ビット枠の表に整理されています。
枠にきれいに収まり、視覚的にはイメージしやすいですが、読みあげの場合は把握が難しいです。
代替説明として、以下のリンク先の表を紹介します。
TCP/IP – IPとは
ページ中段にある15行4列の表で、先頭から順番に、IPヘッダに格納されるフィールドが説明されています。(このサイトの情報は、私もよく参照しています。具体的でわかりやすいです)
問題8
対象ページ:62
問題の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「ホストA ホストB」から「②」までの行です。
図はホストAとホストBが互いに通信する流れを①から③の矢印で表現しています。
- ①は、最初の通信で、ホストAからホストB方向です。
- ②は、2番目の通信で、ホストBからホストA方向です。
- ③は、最後の通信で、ホストAからホストB方向です。
対象ページ:76
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【3ウェイハンドシェイク】」から「いいですか?」までの行です。
問題の図と同様に、ホストAとホストBの相互通信の様子が説明されています。シーケンス番号は例です。
- 最初の通信(①)は、ホストAからホストB方向です。SYNセグメント(シーケンス番号:100、確認応答番号:0)。ホストAは「接続してもいいですか?」とホストBに声かけしています。
- 2番目の通信(①)は、ホストBからホストA方向です。ACK・SYNセグメント(シーケンス番号:300、確認応答番号:101)。ホストBは「いいですよ。こちらからも接続していいですか?」と応答しています。
- 最後の通信(③)は、ホストAからホストB方向です。ACKセグメント(シーケンス番号:101、確認応答番号:301)。ホストAは「いいですよ」と応答し、3ウェイハンドシェイクを完了しています。
図の後に①から③の通信について、説明文が記載されています。
問題11
対象ページ:78
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「IPヘッダUDPヘッダデータ」から「8バイト」までの行です。
UDPデータグラムの構造が3つの区切りで表現されています。
先頭がIPヘッダ、2番目がUDPヘッダ、3番目(最後)がデータ部です。
続けて、UDPヘッダについて横32ビット枠の表で整理されています。
枠にきれいに収まり、視覚的にはイメージしやすいですが、読み上げの場合は把握が難しいです。
代替説明として、UDPヘッダに格納されるフィールドを先頭から順番に説明した表を記載します。
なお、この表は「TCP/IP – UDP」を元に作成しています。
各フィールド | ビット数 | 各フィールドの説明 |
---|---|---|
送信元ポート番号 | 16 ビット | 送信元のポート番号の値 |
宛先ポート番号 | 16 ビット | 宛先のポート番号の値 |
パケット長 | 16 ビット | 「UDPヘッダ」の長さと「UDPデータ」の長さを合計したサイズの値。 |
チェックサム | 16 ビット | UDPヘッダとデータ部分のエラーチェックを行うために使用される値。 |
問題12
対象ページ:79
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【ARPリクエスト(要求)】」から「応答なし応答なし」までの行です。
ARPリクエストとARPリプライの動作のイメージ図です。
4台のPCが同セグメントで接続されています。4台のPCは、AからDの名前がつけられ、IPは、172.16.1.1.、172.16.1.2、172.16.1.3、172.16.1.4がそれぞれ割り当てられています。また、MACアドレスも、AAA、BBB、CCC、DDDと本来のMACよりも簡略して割り当てられています。
ARPリクエスト(要求)では、PC Aが全PCへブロードキャストを流しています。PC Aは「172.16.1.4のIPアドレスを持つノードは、MACアドレスを教えてください」と声かけしています。
ARPリプライ(応答)では、172.16.1.4のIPアドレスを持つPC Dのみが、ユニキャストでPC Aに応答しています。PC Dは、「MACアドレスは”DDD”です」と答えています。他のPCは、応答していません。
問題13
対象ページ:80
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【ARPパケットのフォーマット】」から「(単位:バイト)」までの行です。
ARPの要求時、応答時に、各フレームのフィールドにどのような値が入るかを説明しています。
フレームについては、第2章・第1問の解答のフレームフォーマットも参照してください。
ARP要求時
- 宛先MACアドレス:FF-FF-FF-FF-FF-FF
- 送信元MACアドレス:送信元ノードのMACアドレス
- タイプ:0x0806
ARP応答時
- 宛先MACアドレス:ARP要求を送信したノードのMACアドレス
- 送信元MACアドレス:宛先IPアドレスを持つノードのMACアドレス
- タイプ:0x0806
問題14
対象ページ:81
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【ICMPのフォーマット】」と「IPヘッダICMPメッセージ」の2行です。
ICMPメッセージがIPヘッダでカプセル化されている様子が表現されています。
問題15
対象ページ:64
問題の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「A」から「Server」までの行です。
ネットワーク構成図です。機器のアイコンは6つあり、ホスト(PC)が2つ、スイッチが1つ、ルータが2つ、サーバが1つです。
ホストAで実行するPING対象の172.16.3.100は、Serverです。ホストAからServerまでの接続を順に説明します。
ホストAのIPは、172.16.1.10/24 で、DGW(デフォルトゲートウェイ)は172.16.1.1です。ホストAはスイッチのアイコンに接続されています。
スイッチには、ホストA、ホストB、そして、R1というルータアイコンが接続されています。
R1には2つのインターフェースがあります。スイッチが接続されているインターフェースはFa0でIPは172.16.1.1/24です。もう1つのインターフェースはFa1で、IPは172.16.2.1/24。Fa1にはR2というルータが接続されています。
R2にも2つのインターフェースがあります。R1が接続されているインターフェースはFa0でIPは172.16.2.2/24です。もう1つのインターフェースはFa1でIPは172.16.3.2/24。Fa1にはServerが接続されています。
ServerのIPは172.16.3.100/24で、DGW(デフォルトゲートウェイ)は172.16.3.2です。
今回のネットワーク構成図では、アイコンがスイッチやルータであるといった明確な記載がありません。
受験者はどの形のアイコンがどの機器を指すのか、ある程度理解しておくと構成が把握しやすいです。ご参考に、アイコンの概要も紹介しておきます。
問題17
対象ページ:82
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【2つのブラウザでWebページを閲覧する場合】」から「SP:80 DP:53340 データ」までの行です。
1つのPC上の2つのブラウザが、どのようなポート番号を利用して、1つのWEBサーバにアクセスしているかが表現されています。
HTTPアクセスの場合、80番ポートは固定ですが、以下の53425番と53340番は動的な番号で例です。これらの動的なポート番号が識別に役立っています。
ブラウザ1の場合
- ブラウザ1のアクセス時、宛先ポートは80番、送信元ポートは53340番です。
- Webサーバからの応答時、宛先ポートは53340番、送信元ポートは80番です。
ブラウザ2の場合
- ブラウザ2のアクセス時、宛先ポートは80番、送信元ポートは53425番です。
- Webサーバからの応答時、宛先ポートは53425番、送信元ポートは80番です。
問題23
対象ページ:85
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【Ciscoルータに対するTelnet接続の例】」から「を入力してログイン」までの行です。
管理者(Telnetユーザ)がルータ(Telnetサーバ)に接続するイメージ図です。
ルータには、あらかじめ「cisco」というパスワードが設定されています。
- 管理者用PCのターミナルソフトを利用して、ルータへTelnet実行
- PCとルータ間で、TCPコネクション確立
- ターミナルソフトにてパスワード「cisco」を入力してログイン
- ターミナルソフトからルータへ命令を送信(暗号化なし)
- ルータからターミナルソフトに処理結果を返信(暗号化なし)
- ターミナルソフトにて、受信した内容を画面上に表示
問題25
対象ページ:86
解答の表を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、表は「【DHCPメッセージ】」から「DHCP ACK サーバ設定情報をDHCPクライアントに提供する」までの行です。
以下の表にてDHCPメッセージが説明されています。
メッセージ名 | 送信する側 | 説明 |
---|---|---|
DHCP DISCOVER | クライアント | 使用可能なDHCPサーバを探すためのメッセージ |
DHCP OFFER | サーバ | DHCPクライアントのDHCP DISCOVERに応答し、設定情報の候補を通知する |
DHCP REQUEST | クライアント | 設定情報を正式に取得するためにDHCPサーバへ要求する |
DHCP ACK | サーバ | 設定情報をDHCPクライアントに提供する |
問題27
対象ページ:68
問題の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「A」から「DHCP Server」までの行です。
ネットワーク構成図です。機器のアイコンは5つあり、ホスト(PC)が2つ、スイッチが1つ、ルータが1つ、サーバが1つです。
ホストAからDHCP Serverまでの接続などを順に説明します。
DHCP ClientであるホストAは、スイッチと接続されています。スイッチには、ホストAとホストB、そしてルータが接続されています。
ホストAからDHCP DISCOVERが発信された様子が矢印で表現されています。矢印はスイッチを経由し、ルータへ向かっています。また、ホストBに向かっている矢印もあります。
ルータには2つのインターフェースがあります。スイッチが接続されているインターフェースはFa0です。もう一つのインターフェースはFa1であり、DHCP Serverが接続されています。
対象ページ:87
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【DHCPリレーエージェント】」から「ユニキャスト」までの行です。
ネットワーク構成図を利用し、DHCPリレーエージェントが設定されたルータを経由して、DHCP DISCOVERがDHCPサーバに到達する様子が説明されています。
機器のアイコンは3つで、ホストが1つ、ルータが1つ、サーバが1つです。
ホストはDHCPクライアントであり、IPアドレスは0.0.0.0(未取得)です。ホストでDHCP DISCOVERが発信され、ルータに向かいます。この時、ブロードキャストが利用されています。
ルータはDHCPリレーエージェントが設定されているため、そのDHCPメッセージをDHCPサーバへ中継することができます。DHCP DISCOVERはDHCPサーバに向かいます。
問題29
対象ページ:69
問題の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「B」から「データ」までの行です。
ネットワーク構成図です。機器のアイコンは7つあり、ホスト(PC)が2つ、スイッチが3つ、ルータが2つです。
各アイコンは複数あるため、ホストA,B、Switch 1,2,3、 Router 1,2のように名前が付いています。
各アイコンは数珠繋ぎで接続されています。ホストBからホストAまでの接続を順に説明します。
ホストBは、Switch2のみに接続されています。Switch2は、Router2にも接続されています。つまり、Switch2にはホストBとRouter2が接続されています。
Router2には2つのインターフェースがあります。Switch2が接続されているインターフェースはFa0です。もう一つのインターフェースFa1には、Switch3が接続されています。
Switch3には、Router2とRouter1が接続されています。
Router1にも2つのインターフェースがあります。Switch3が接続されているインターフェースはFa1です。もう一つのインターフェースFa0には、Switch1が接続されています。
Switch1には、Router1とホストAが接続されています。ホストAはSwitch1のみに接続されています。
対象ページ:88
解答の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「【L2ヘッダとL3ヘッダのアドレス】」から「Fa1」までの行です。
データがL3ヘッダとL2ヘッダでカプセル化された様子と問題と同じ図が掲載されています。
まずデータはL3ヘッダでカプセル化されます。L3ヘッダに対応する解答説明が、次の行の③と④の記載です。
L3ヘッダでカプセル化されたデータは、さらにL2ヘッダでカプセル化されます。L2ヘッダに対応する解答説明が、その次の①と②の記載です。
問題30
対象ページ:70
問題の図を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図は「FTP Server」から「ホストA」までの行です。
ネットワーク構成図です。機器のアイコンは5つあり、ホスト(A)が1つ、スイッチが2つ、ルータが1つ、FTP Serverが1つです。
2つのスイッチは、それぞれ、SW1、SW2という名前が付いています。
各アイコンは数珠繋ぎで接続されています。FTP ServerからホストAまでの接続を順に説明します。
FTP ServerhはSW2のみに接続されています。
SW2で記載されているインターフェースは2つです。FTP Serverが接続されているインターフェースはFa0/5です。もう一つのインターフェースFa0/1には、ルータが接続されています。
ルータのインターフェースも2つです。SW2が接続されているインターフェースはFa1です。もう一つのインターフェースFa0には、SW1が接続されています。
SW1のインターフェースも2つ記載されています。ルータが接続されているインターフェースはFa0/1です。もう一つのインターフェースFa0/2には、ホストAが接続されています。
ホストAは、SW1のみに接続されています。
対象ページ:89
解答の図と表を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、図と表は「FTP Server」から「ルータを経由しても変更なし」(2番目)までの行です。
問題と同じ図が掲載され、通信範囲によって、①と②の矢印が割り当てられています。
①の矢印の範囲は、FTP ServerからルータのFa1までです。FTP Serverからルータへ向いています。
②の矢印の範囲は、ルータのFa0からホストAまでです。ルータからホストAへ向いています。
いずれもL2スイッチは無関係です。
この①と②、それぞれのデータに含まれるアドレスが表で説明されています。
①のデータに含まれるアドレスの表は以下です。
レイヤ2(イーサネットヘッダ) | レイヤ3(IPヘッダ) | |
---|---|---|
送信元アドレス | FTPサーバのMACアドレス | FTPサーバのIPアドレス |
宛先アドレス | ルータのFa1のMACアドレス | ホストAのIPアドレス |
②のデータに含まれるアドレスの表は以下です。
レイヤ2(イーサネットヘッダ) | レイヤ3(IPヘッダ) | |
---|---|---|
送信元アドレス | ルータのFa0のMACアドレス | FTPサーバのIPアドレス |
宛先アドレス | ホストAのMACアドレス | ホストAのIPアドレス |
①と②の違いは、レイヤ2の列のみで、レイヤ3はルータを経由しても変更はありません。
②のレイヤ2の宛先アドレス、つまり、宛先MACアドレスはARPで取得されます。
問題32
対象ページ:91
解答の表を説明します。
PDFをテキスト変換した場合、表は「【主なウェルノウンポート番号】」から「520 RIP UDP」までの行です。
ポート、プロトコル、TCP/UDPの3列で表に整理されています。
スペース区切りのため、テキスト変換した行でもおよそ把握できると思います。
ウェルノウンポートの一覧について、以下のリンク先の表も紹介しておきます。
Port Number
TCPとUDPに分けて表があります。ページ中段にある49行4列のテーブルがTCPの一覧です。下段の32行4列のテーブルがUDPの一覧です。
TCPとUDPの表の間などには、広告があります。