ルーティング基礎

問題集の図や読み上げで把握が難しい部分などを補足します。
対象ページ:213から256
対象問題:1から21

なお、CSR 1000vを利用したスタティックルート設定例を紹介しています。
今回の章の前後で実際に体験されると理解が深まると思います。

問題4

対象ページ:215

この問題の選択肢は、前付の解答選択肢の並びで説明したように、レイアウトの関係で、一行に複数の選択肢が記載されています。
一行目の「A. C E. S」は、「A. C」と「E. S」のことで、AとEの選択肢が記載されています。4行あり、選択肢はAからEの8つです。
解答が一文字だけで、わかりにくいため、補足しておきます。

対象ページ:235

解答のコマンド出力例を補足します。
問題の出力例は「【show ip routeコマンドの出力例】」から「ルート情報の情報源(種類)を示すコード」までの行です。

ここでは、学習環境で紹介したCSR 1000Vでも出力できる「show ip route」を利用して説明します。
コードの説明は「Codes: L – local, C – connected, S – static, R – RIP, M – mobile, B – BGP」から「+ – replicated route, % – next hop override」までの行です。
ハイフンを挟んで対応するコードが記載されています。例えば、「L – local」は、LがLocalに対応することを示しています。Localは、ルータに設定されたIPを指します。

「Gateway of last resort is not set」の次の次の行の行頭がコードです。
例えば、「C  192.168.1.0/24 is directly connected, GigabitEthernet1」という行ならば、行頭の「C」がコードです。Cは、connected(直接接続されたセグメント)を指します。
参考までですが、ルータのインターフェースにIPを設定し、そのセグメントを持つ場合、「直接接続」のほか「ルータにそのセグメントの足がある」と表現することもあります。

問題5

対象ページ:236

解答にスタティックルートの例が記載されています。
「S 10.1.1.0/24 [1/0] via 10.2.2.1」から「ネクストホップ」までの3行です。
2行目の「C」は上矢印の誤変換です。10.2.2.1はネクストホップであることが記載されています。

なお、CSR1000Vでも、同様のスタティックルートを確認できます。
ネクストホップはルータのセグメントである必要があるため、ネクストホップは192.168.1.0/24のIPを利用します。
以下の例の場合、「10.1.1.0/24宛のネクストホップは192.168.1.102」の経路が設定されています。

R1#conf t「ENTER」
R1(config)#
R1(config)#ip route 10.1.1.0 255.255.255.0 192.168.1.102
「ENTER」← このコマンドでスタティックルートを設定します。
R1(config)#end「ENTER」 ← 特権モードに戻ります。
R1#wr「ENTER」 ← 設定を保存します。

元に戻す場合は、以下のように、行頭に「no」を追加します。
R1(config)#no ip route 10.1.1.0 255.255.255.0 192.168.1.102「ENTER」

問題6

対象ページ:235

解答にネットマスクの説明例が記載されています。
「10.1.1.0/24」から「アドレスプレフィックス ネットマスク(プレフィックス長)」までの3行です。
2行目の「C」は上矢印の誤変換です。「10.1.1.0/24」の/24がネットマスクであることが記載されています。

問題7

対象ページ:236

解答にロンゲストマッチを説明するための図があります。
図は「【ロンゲストマッチ】」からページ末尾の「DA:Destination Address」までの行です。
図を説明します。
ホストAからホストBへ通信するとき、R1ルータを経由するネットワーク構成です。
宛先のホストBのIPは、10.1.1.1です。
R1には以下の3行のルーティングテーブルがあります。

ネットワーク インターフェイス
10.2.1.0/24 S0
10.1.0.0/16 S1
10.0.0.0/8 S2

ホストBのIPは10.1.1.1のため、上の10.1.0.0/16と10.0.0.0/8が対応しますが、ロンゲストマッチによって、プレフィックス長の長い「10.1.0.0/16 S1」のルーティングテーブルが利用される様子が記載されています。

なお、問題の選択肢には、アドミニストレーティブディスタンスやメトリックもありますが、これらには以下の優先順位があります。

  1. ロンゲストマッチ
  2. アドミニストレーティブディスタンス
  3. メトリック

上に例外はなく、この優先順位は通信の流れを考える際に重要です。

問題9

対象ページ:238

解答にスタブネットワークとはどのような構成か説明する図があります。
図はページ先頭の「【スタブネットワークの例】」から「スタブネットワーク」までです。
図を説明します。
図にはありませんが、R1、R2とルータに名前をつけます。
あるネットワーク群にルータR1があります。R1には、別のネットワークに所属するR2という「スタブルータ」が接続されています。R2には、R1と10.1.1.0/24のみが接続されています。10.1.1.0/24は、スタブネットワークと記載されています。R1の説明として「スタブネットワーク10.1.1.0/24へのルートを1つだけ手動設定」と記載されています。

問題10

対象ページ:218

問題のネットワーク構成図とコマンド出力を説明します。
対象は「R1 R2」から「Host-A Server」までの行です。
ネットワーク構成図は、PCが1つ、ルータが2つ、サーバが1つで、数珠繋ぎで接続されています。

PCはホストAと名付けられ、ルータR1のFa0/0と接続されています。
R1は2つのインターフェースを持ち、Fa0/0はホストAと、S0/0はもう一つのルータR2に接続されています。
R2も2つのインターフェースを持ち、S0/0はR1と、Fa0/0はサーバと接続されています。

R1のコマンド出力は、「R1#show ip route」から「S 172.16.3.0 [1/0] via 172.16.2.2」までの行です。
R2のコマンド出力は、「R2#show ip route」から「C 172.16.3.0 is directly connected, FastEthernet0/0」までの行です。

対象ページ:238

解答に説明図があります。
対象は「【スタティックルーティング】」からページ末尾の「ホストA宛(戻りのパケット)」までの行です。
図では問題のルーティングテーブルから把握できるセグメント情報が記載されています。
ホストAとR1間は、172.16.1.0/24です。R1とR2間は、172.16.2.0/24です。R2とサーバ間は172.16.3.0/24です。
また、R1のスタティックルートから、R1との接続インターフェースであるR2のS0/0は、172.16.2.2と推測できます。

R2に、ホストAが所属する172.16.1.0/24へのスタティックルートがないため、サーバからの戻り通信でパケットが破棄される様子が記載されています。

問題11

対象ページ:219

問題のネットワーク構成図を説明します。
対象は「R1 R2」から「10.1.1.2/24」までの行です。
ネットワーク構成図には、ルータR1、スイッチ、ルータR2、サーバXがあり、数珠繋ぎで接続されています。

R1はスイッチと接続しています。R1の接続インターフェースはFa0/0で、そのIPは10.1.1.1/24です。
スイッチはR1およびR2と接続しています。スイッチのIPは、10.1.1.2/24です。
R2はスイッチおよびサーバXと接続しています。スイッチと接続しているR2のインターフェースはFa0/1で、そのIPは10.1.1.3/24です。サーバXと接続しているR2のインターフェースはFa0/0で、そのIPは10.2.2.1/24です。
サーバXはR2と接続しています。サーバXのIPは、10.2.2.2/24です。

問題13

対象ページ:220

問題のネットワーク構成図を説明します。
対象は「RT1 RT2」から「192.168.1.0/24」までの3行です。
ネットワーク構成図には、ルータRT1とRT2の2台で接続されています。

RT1には、Fa0/0とS0/0/0のインターフェースがあります。S0/0/0にはRT2が接続されています。
RT2には、S0/0/0とFa0/1のインターフェースがあります。S0/0/0にはRT1が接続されています。Fa0/1には192.168.1.0/24のネットワークがあります。

問題16

対象ページ:221

問題のネットワーク構成図を説明します。
対象は「R1 ISP」から「1.1.1.1/24」までの行です。
ネットワーク構成図には、R1というルータとISPというルータの2台があり、ISPルータにはインターネットが接続されています。

R1には、Fa0/0とS0/0のインターフェースがあります。Fa0/0には192.168.1.0/24のネットワークがあります。S0/0にはISPルータが接続されています。S0/0のIPは1.1.1.2/24です。
ISPルータには、S0/1のインターフェースがあり、一方ではインターネットにも接続されています。ISPルータのS0/1にはR1が接続されています。S0/1のIPは1.1.1.1/24です。

対象ページ:243

問題と同じネットワーク構成図を利用して、どのようなルーティングテーブルが設定されるか、説明されています。
対象は「【デフォルトルート】」から「スタティックルート」までの行です。
R1は顧客側を想定したルータでデフォルトルートを利用して、ISPのルータへ通信している様子が記載されています。
一方、ISPはプロバイダ側を想定したルータでスタティックルートを利用して、R1へ通信している様子が記載されています。

問題17

対象ページ:222

問題の出力は、「RouterA#show ip route」から「C 172.16.1.0 is directly connected, FastEthernet0/1」までの行です。

問題19

対象ページ:244

解答にアドミニストレーティブディスタンスの表が記載されています。
表は「【デフォルトのアドミニストレーティブディスタンス値】」から「低」までです。
以下のような表で整理されています。優先度が高いルート情報が上です。

ルートの情報源 デフォルトのAD値
直接接続 0
スタティックルート 1
EIGRP集約 5
EBGP(外部BGP) 20
EIGRP(内部) 90
OSPF 110
IS-IS 115
RIPv1、RIPv2 120
EIGRP(外部) 170
IBGP(内部BGP) 200
不明 255

問題21

対象ページ:245

解答にメトリックの表が記載されています。
表は「【ルーティングプロトコルのメトリック】」から「用することも可能」までです。
PDFからテキストの変換で表がわかりくくなるため、以下に記載します。

【ルーティングプロトコルのメトリック】

プロトコル メトリック 説明
RIPv1、RIPv2 ホップカウント ルータから宛先ネットワークまでに経由するルータの数
OSPF コスト インターフェイスの帯域幅から算出される値。管理者が手動でコスト値を設定することも可能
EIGRP 帯域幅、遅延 インターフェイスの帯域幅と遅延から算出される値。オプションで負荷と信頼性を使用することも可能

その2に続く

(ここがページの最後です。更新日:2018年6月3日)