NVDAについて

NVDAはオープンソースのスクリーンリーダです。
後ほど説明するVmwareやTera Termの出力なども読み上げることができます。本サイトでは、このNVDAを利用します。
(PC-Talkerなども優れたスクリーンリーダです。利用用途に応じて使い分けることをお奨めします)

NVDAのバージョンとダウンロード

2018年10月時点での動作確認バージョンは、2018.3.2jpです。
こちらから最新バージョンをダウンロードできます。

利用時の最新バージョンで挙動がおかしい場合などは、確認できている2018.3.2jpもお試しください。
2018.3.2jpはこちらのGithubから直接ダウンロードできます。
最新バージョンの確認を無効化」して、バージョンを維持することもできます。

NVDAのインストール

NVDAの日本語版を開発されている方が作られたガイドブックがあります。インストール含め、他の情報も大変参考になります。
NVDA 日本語版ガイドブック

NVDAの設定

利用している設定の紹介です。

音声設定

最近のバージョンではWindows10のOneCore音声が利用できるようになりました。
ユーザーガイド「サポートされている音声エンジン」

検証した一部PCでは、他の音声エンジンを選択するとNVDAが再起動を繰り返す事象もあり、問題なかったOneCoreを利用しています。音声はHarukaとDavid(米国英語)です。
Harukaの設定は以下の「実際の設定例その1」が参考になります。
NVDAメニューの「設定(S)」のキーボード操作について

標準ではAyumi、Haruka、Ichiroの日本語音声のみですが、英語音声も追加できます。コマンドの出力などを英語で聞くなど、英語の勉強にもなるかもしれません。
以下は、米国英語をセットアップする手順です。

  1. Windowsキーを押し、「地域と言語」を入力。検索された「地域と言語の設定」を開きます。または、Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を起動し、「ms-settings:regionlanguage」を入力して、「地域と言語」設定を開きます。
  2. TABで移動し、「言語を追加する」を選択します。検索ボックスで、「米国」を入力します。
  3. 上下キーで移動し、「英語(米国)」を選択し、TABで移動し「次へ」。
  4. 「自分のWindowsの表示言語として設定する」のチェックボックスをスペースキーで外します。TABで移動し「インストール」を実行します。
  5. インストール完了後、NVDAを再起動すると、音声選択でDavid、Zira、Linda、そして、Markが選択できるようになります。表示されない場合は、OS再起動を行ってください。

HarukaとDavidなどの音声切替は、NVDAで用意されている音声設定コマンドが便利です。
ユーザーガイド「簡単音声設定」

Haruka用音声辞書

OneCoreのHarukaのみに適用される辞書を用意しました。
まほろばさんの辞書に、「ひとつずつ」のサイトが読みやすくなる単語を追加しています。

Haruka用辞書 2018年10月5日版

適用方法は以下です。
注意:以下の「oneCore-Microsoft Haruka.dic」と同じファイルがすでにある場合は、上書きすると、それまで登録した辞書は消えます。維持するためには、それまでのファイルへの追記が必要です。

  1. ダウンロードしたZIPファイルを解凍しておきます。「oneCore-Microsoft Haruka.dic」という名前のファイルが入っています。
  2. Windowsキーを押して”nvda”と入力し、上下キーで[NVDAユーザ設定フォルダーを開く] を選択します。デフォルトインストールしているならば、「C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\nvda」が開きます。
  3. そのフォルダにある「speechDicts」、続けて「voiceDicts.v1」「oneCore」フォルダを開きます。デフォルトならば、C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\nvda\speechDicts\voiceDicts.v1\oneCoreです。
  4. OneCoreフォルダに、上で解凍したファイルをコピーします。Harukaで利用する場合はファイル名の「oneCore-Microsoft Haruka.dic」を変更しないでください。MicrosoftとHarukaの間の半角スペースも必要です。※ ファイル名を適宜変更すれば、他の音声でも利用できると思います。
  5. NVDAを再起動することで設定が反映されます。

登録単語はNVDAの「読み上げ辞書」の「音声辞書」でも確認できます。
ユーザーガイド・読み上げ辞書

記号をすべて読み上げる

ルータなどの出力内容を正確に把握できるよう、記号をすべて読み上げるように設定しています。

記号を読み上げる設定は、Harukaの設定で紹介した以下の「実際の設定例その1」の「音声設定カテゴリ」で設定できます。
NVDAメニューの「設定(S)」のキーボード操作について

TABキーで「句読点/記号レベル」コンボボックスに移動し、上下キーで、「すべて読み上げ」を選択します。

または、NVDAキー(無変換)+Pキーだけでも、読み上げレベルを切り替えることができます。
こういった便利なショートカットはユーザーガイドに記載されています。

マウスの位置のテキスト読み上げ無効

混乱しないよう、マウスの移動で読み上げないように設定しています。
NVDAキー(無変換)+Mキーだけで、マウスカーソル移動を報告する、報告しないを切り替えできます。

最新バージョン確認の無効化

特定のバージョンを維持したい場合など、最新バージョンの自動確認を無効化できます。

上の「音声設定カテゴリ」と同様ですが、NVDA(無変換)キーとNを同時に押します。そのまま、Pを押し、次にSを押します。
カテゴリが「一般」で設定画面が表示されます。
TABでキーで「NVDAの更新を自動的に確認」チェックボックスに移動し、スペースキーで、チェックを外します。
TABキーで移動し、OKを押します。または、OKを押さなくても、そのままEnterでも反映されます。

NVDAの操作

インストールで紹介した以下のガイドブックでは、操作方法も紹介されています。わかりやすいです。
NVDA 日本語版ガイドブック

晴眼者用の検証環境

ご参考までに、晴眼者がNVDAを利用して検証する場合の環境や設定を紹介します。

仮想OSの利用

NVDAは、そのままPCで利用したほうが正確な検証ができますが、仮想OS上でもNVDAだけならば、同様の検証が可能です。むしろ、実機へ直接インストールしたNVDAよりも、仮想OS上のNVDAのほうが行儀が良い場合がよくあります。この点は検証という視点では、実機では動作しない場合があるため、注意点でもあります。

Vmware Player上の評価版Windows10でもNVDAは動作します。Vmware Playerが自動でインストールしてくれる「簡易インストール」でも問題ありません。OSの初期状態から簡単に検証できます。

音声が途切れる場合は、ミニプラグ入力タイプではなく、USB音声入力タイプがお奨めです。
例えば、サンワサプライ USBスピーカー MM-SPU6BKは安定して音声出力されることを確認しています。

設定

アクセシビリティチェックツールとしてのスクリーンリーダーが参考になります。
いくつか紹介します。

  • スピーチビューアーで、読み上げる内容を文字出力で確認できます。
  • 読み上げなし(NVDAキー+S)にし、スピーチビューアーの文字出力だけで確認することもできます。
  • FocusHighlightアドオンを利用すると、読み上げている場所がわかります。
(ここがページの最後です。更新日:2022年9月28日)